【最重要】海外市場調査発注で、失敗しないための3つのミーティングを徹底解説

市場調査発注

なぜRFPを使うのですか?RFPの意味は?
RFPって使ったほうが良いのでしょうか?
せっかく作ったRFPですが、無駄に使わないのですが、どう活用すれば良いのでしょうか?

国内外の業者や外部ベンダーに業務を委託する場合に活用するRFP(提案依頼書)ですが、なぜRFPを使うのか、その意味からしっかりと学びたいという声を聞きます。

RFPとは、業務の委託を成功に導くための大切な書類ですが、意味を理解した上で活用し、せっかく作成したRFPを無駄にしないよう活用することが大切です。それでは、RFPを活用する意味とはどういったことでしょうか?

私は、20年以上海外の市場調査コンサル会社でプロジェクトを受注してきましたが、その際に数多くのRFPを見てきました。しっかりした提案書を書ける良くできたRFPもありますが、RFPのテンプレートの書式にそって作成しただけの画一的なRFPも数多くあります。それは書き方に注力しすぎて、RFPの本当の意味を理解していないからです。

この投稿では、RFPの意味を整理、理解して頂き、どのようにRFPを活用すれば良いのか?そして、RFPの効果と意味をしっかりと理解した上でするべき3つの「ミーティング」に関して解説を致します。

■ これでわかるRFPを使う意味3つのポイント
■ RFPの意味を理解して、RFPを使う
■ RFPの効果を最大化する3つのミーティングとは?

これでわかるRFPを使う意味3つのポイント

how to

① RFPの意味は?ゴールを共有する重要な書類

RFPは英語ではRequest For Proposalの頭文字をとった略語で、海外でも一般的に活用されています。日本語では提案依頼書を意味します。

RFPを使う意味の中で、大切なことが依頼内容を明確に伝えることです。RFPで依頼する業務は、ウエブサイト作成依頼、市場調査・コンサルやシステム開発など多岐にわたりますが、成果物が見えにくいのもその特長です。

見えにくいゴールを依頼業者と共有して確認する

見えにくいものの業務の内容を説明し業者と共有するのがRFPを使う意味とも言えます。このようなゴールが明確になったRFPを活用し、候補のベンダーがプロポーザルを提出、その中で持っても適切な業者に依頼することになりますが、その最初の書面がRFPといえます。

RFPを使うことで、依頼内容を明確にして依頼候補のベンダーとゴールを共有する事ができます。

なお、さらに大切なポイントは、依頼する業者がそのゴールを明確に理解しているかを確認することです。この点は、後ほどのRFPミーティングで詳しく説明します。

② RFPで、依頼事項を残す。まだ口頭で仕事を依頼してますか?

RFPのようなフォーマルなプロセスを経ずに、口頭の説明だけで見積を依頼し、業者を選定したことで、失敗したことございませんでしょうか?

RFPではベンダーが提案書やプロポーザルを作成するために必要な事項が含まれていますので、依頼内容が明確で、業者からの提案内容も「ずれ」が生じにくい事が言えます。

提案書がしっかりと書ける事項を盛り込むRFPは、失敗するリスクをおさえるという意味でも大切な書類あると言えます。

③ RFPで、投資を価値のある成果物に導く最も適切な業者を選定

RFPでは、数百万から場合によっては数億円の予算の業務の依頼に活用します。発注側は、発注する事でその投資に見合う成果物を期待します。

そのような成果物をお願いするための最初の書面がRFPと言えます。
RFPがしっかりと準備できない場合、大切な投資が思うような結果が得られないという事も起こります。

その様な自社の予算をしっかりと結果に導くためにも、RFPには意味があります。

RFPの意味を理解して、RFPを使う

RFPの意味を理解した上で、RFPを活用するように心がけましょう。意味を理解した上で、業者へのプロポーザルの依頼、業者を選定するのみは結果に大きな違いが出てきます。

例えば、意味を理解せずにRFPを活用した場合には、RFPの書き方のみに注力して、自体もテンプレートに沿っただけの形式的なもので、メールでRFPを送付、届いた提案書を評価して業者を選定します。業者が決定したのでRFPの目的は達成したように思えますが、RFPの意味を理解した上での発注プロセスとはいえません。なお、テンプレートにこだわらず、RFPの意味を理解してRFPの書き方については、「はじめてでも失敗しないRFPの書き方。システム開発依頼以外でも活用できる3つのポイント」をご参照ください。

RFPの大切な意味は、同じゴールを共有したことを確認した上で、最も適切な業者へ発注をすることです。

いずれ1社にしか依頼をしないし、依頼事項はRFPにすべて盛り込んでいるのでメールでやり取りすることで、十分発注できると思う方もいらっしゃると思います。

今、担当者の方は、数百万円から場合によっては数億円の予算を使って業者に発注する作業をしています。RFPをメールで送っただけで、依頼業者が目的を明確に理解できているという保証はどこにもありません。なおさら成果物が見えにくい場合に活用する場合、RFPをどの様に活用するかは、成果物の出来に直結します。

それでは、RFPの意味を理解した上で、どのようなことをすればより良い成果につなげることができるのでしょうか?

せっかくのRFPを無駄にしない。RFPの効果を最大化する3つのミーティング

20年以上、調査・コンサル会社に多くのプロジェクトに携わってきましたが、しっかりとしたRFPを作成した上で、更に高い価値の成果物に結びつけるために、以下の3つのミーティングをすることをおすすめします。

■ RFPミーティング
■ プロポーザルミーティング
■ キックオフミーティング

RFPミーティング

RFPミーティングとは、RFPの内容を候補の業者の担当者に説明をするミーティングのことです。これは、対面での会議、オンライン会議、どちらでも大丈夫です。

大切なことは、メールでRFPを送信して終わりにしないことです。

RFPミーティングは、すべての業者に対して公平にRFPの内容を説明しますので、時間はかかりますが、このミーテイングをするかしないかで、結果が大きく変わります。

必ずしも対面は必須では無いので、海外の業者でも比較的簡単に調整できますし、RFPをメールで送信した後、パッパッと済ませるのもコツです。

RFPミーティングをすることで、以下のような効果があります。

■ RFPを提出した早い段階でRFPの内容を直接説明できる
■ RFPの内容で変更があれば速やかに変更、改善することができる
■ 業者からの質問への対応が効果的にできます。
■ 自分自身、依頼する業務への理解がより深まります。
■ ベンダーとの関係構築を図れる
■ 提案内容が目的を明確に反映したものになる

同じ内容を、すべての業者に対して実施する作業が伴うRFPミーティングですが、RFP自体が完璧であることはあまりないので、様々な質問が候補のベンダーから届くと思います。この時点ではある程度のRFP修正は可能ですので、修正や追加がある場合は、その内容を効率よくすべての候補ベンダーに伝えましょう。

RFPミーティングを通じて、改善されたRFPから、より要望にそった提案書をもらうことが可能となります。

プロポーザルミーティング

プロポーザルミーティングとは、提案書を提出してもらったベンダーに提案内容を「プレゼン」してもらうミーティングです。対面、オンラインいずれでも良いですが、提出してもらった提案書を見た上で、候補を3社程度に絞り込んでも良いでしょう。選定の最終段階だということを理解してますので、ベンダーにとっては、自分たちの提案を「プレゼン」する重要なミーティングです。

プロポーザルミーティングをすることで、以下のような効果が期待できます。

 ベンダーの能力、理解力、コミュニケーション力がわかる
■ プロポーザルの追加修正、再提案
■ 値段の直接交渉

ベンダーの能力、理解力、コミュニケーション力がわかる

プロポーザルのプレゼンを依頼する際に、すでに数社に絞り込む選考が済んだことを伝えましょう。ベンダーは、最終の提案の場ということを十分承知をしているので、全力でアピールをしてきます。できればこのプレゼンは、業務を担当する担当者がプレゼンすることを可能であればお願いをしましょう。業者によっては、プレゼンのエースをこの場に持ってくるケースがあります。

プレゼンのエースはプレゼンはもちろん得意ですが、全く業務に携わることがない可能性があるので、できれば業務の担当者がプレゼンをすることが望ましいと思います。

担当者がしっかりとプレゼンすることで、この業者の業務に対する能力と理解力、そしてコミュニケーション能力がどういったものなのか、提案書だけではわからない面も理解できます。

プロポーザルの追加修正、再提案

現在、評価している提案書は、RFPに基づき届いた提案書ですが、まだ修正が可能であることを理解することが大切です。RFPミーティングなどを通じて十分に委託業務の内容は伝えていますが、必ずしもその内容が、発注側のニーズを100%取り込んでいるわけではありません。

プロポーザルミーティングでは、発注する側から、追加や修正の依頼をする最後のチャンスとなりますので、ミーティングの際に不明瞭な点や質問、追加したい内容は漏らさずに伝えましょう。また、新たな気づきや要望、条件がある場合もありますので、ベンダーへ遠慮なく相談しましょう。

ベンダーは、プロポーザルミーティングの際に依頼された修正や追加内容を新たに提案書に盛り込んで、最終の提案書を数日中に準備をしてくれるでしょう。

価格交渉はまだ可能

価格の交渉は、このプロポーザルミーティングの際にしましょう。指値がある場合は、指値を、有望な候補の業者の見積もり価格が高い場合は、下げられないかしっかりと交渉をしましょう。

多くの依頼企業は、RFPに基いで提出された提案価格が最終の価格と思い、価格の交渉を躊躇する場合があります。提案する側は、この段階ではある程度値段交渉が可能な価格帯で提案をしていることを理解するべきでしょう。

なおさら、すでに数社に絞り込んである段階ですので、発注側もどのくらいの予算が希望なのかわかっている段階ですし、提案する側は、どうしても取りたい場合は価格は頑張ってくれるはずです。プロポーザルミーティングは、価格交渉のためにもとても大事な交渉の場とも言えます。

RFPの活用の要点は、よりよい提案をしてもらう事もありますが、最も適切な価格で依頼することもとても重要な要素であります。

キックオフミーティング

3つ目のミーティングは、キックオフミーティングです。この段階では、すでに発注する業者が決定しています。キックオフミーティングとは文字通り、プロジェクトのキックオフ、開始を宣言するミーティングです。

キックオフミーティングでは、以下のような内容を確認します。キックオフミーティング後、委託業務が正式にスタートします。そのため、このタイミング以降は、目的の大きな修正などはできなくなります。確認事項をしっかりと確認、しっかりと業務をスタートさせましょう。

キックオフミーティングでの確認事項
■ 目的の確認
■ 方法論などの調査の説明
■ タイムラインの確認
■ 双方の担当者の役割紹介と確認
■ 連絡網の確認
■ 定期的報告手段の確認

なお、キックオフミーティングの内容は、もし業者がOKでしたらミーティングノートを送ってもらうとよいでしょう。様々な確認事項があるので、万が一、方向性がずれたりした際に、RFP、プロポーザルと共に、確かめる文書として保管しておくと安心です。

RFPの意味を理解した上で活用することが重要

RFP

外注案件の提案書を依頼する際に活用されるRFPですが、意味をしっかりと理解しつつ活用することを解説いたしましたが、いかがでしたでしょうか?RFP作成から発注までの流れは、いかのようになります。

発注までのながれ
1. RFP作成と見積もり依頼する業社リストの完成
2. 候補業者へのプロポーザル作成の依頼
3. RFPミーティング
4. プロポーザルミーティング
5. 発注
6. 発注後のキックオフミーティング

 

RFPの日本語での意味は提案依頼書となりますが、せっかくのRFPもしっかりと使わないと意味がありません。そういった意味でも、おすすめするのが「RFPミーティング」「プロポーザルミーティング」そして「キックオフミーティん」という3つのミーティングをすることです。それぞれのミーティングは「ひと手間」ではありますが、RFPの意味を更に生かすという意味でも重要ですので、活用してみてください。

RFP作成支援サポート

はじめてRFPを活用する担当者、RFPを使っているけど更に有効に活用したい、外部委託案件を成功させたい場合、外部へのRFP作成の委託という方法もあります。【調査調査・コンサル】RFP作成支援サポートを活用することで、発注する場合の不安を一つ取り除くことも活用できる一つの方法です。

このようなサービスでは、経験のある専門のコンサルタントがRFPの添削のみならず、RFP作成前の段階から相談にのってくれます。そのことで、より結果を出せるRFPを作成できます。とくに、はじめての発注であったり、海外のベンダーへの発注案件などは、経験のあるコンサルタントへの相談も有効です。

サービスの利用には、費用がかかりますが、失敗するリスクの軽減や、うまく言った時の価値を考えるとそれほどの大きな出費ではないかもしれません。