海外の市場調査の発注にRFPは使うべき
RFPを使うメリットは?
RFPはどう準備して、どう活用すれば良いのでしょうか?
外部へ業務を発注をする際に、活用されるRFP。最近、よく耳にする言葉ですが、RFPとはどのようなものなのでしょうか?
RFPとは、業務の発注のときに使われる書類で、幅広い業界で活用されています。この記事では、RFPをまだ使ったことがない方でもよく分かるように、RFPをわかりやすく解説致します。
私は、海外の調査、コンサル会社に20年以上所属して日本企業から多くの調査プロジェクトやコンサルティングに関する仕事を受注してきました。このように、なんらかの案件を外部業者への委託の際に活用されるのがRFPですが、提案書を依頼される業者側にいた私は、RFPを作る発注側の方々より、より多くのRFPを見てきたと言えます。
本日の投稿では、このように活用の機会が増えているRFPとはなんなのかを、以下の3つのポイントで解説を致します。
1. RFPとは?わかりやすく説明します
2. RFPを使うメリットと課題は?
3. RFPはどう作成して、どう活用すれば良いのか?
RFPとは?
RFP(Request for Proposal)とは、提案依頼書です
RFPは英語で「Request for Proposal」の略で、日本語では「提案依頼書」と訳されます。海外でも提案の依頼書のことをRFPと呼んで同じ意味で活用されています。
RFPとは、業務を発注したい側(クライアント)が、業務を受ける受注側(ベンダー)に対して提案書・プロポーザルを提出してもらうための書面です。
RFPには、発注するための要件が書かれており、RFPの内容に沿って、ベンダーは提案書・プロポーザルを作成します。発注側であるクライアントはベンダーからの提案書・プロポーザルから、業務やプロジェクトに最適な業者に業務を発注することが可能です。RFPは適切な業者を選定するために、幅広く活用されています。
※ RFPをまだ使ったことがない人むけに、基礎からRFPについて解説しています。
>> RFPとは?わかりやすく5つのポイントで解説します。
どのような業種、どのような業務でRFPは活用されていますか?
それでは、幅広く活用されているRFPですが、実際にどの業種で、どのような業務で活用されているのでしょうか?
RFPは、システム開発で開発側に対する書面として一般的に活用されていますが、IT業界のみならずより多くの場面でRFPは活用されています。例えば、以下のような業種でも活用されています。
■ システム開発
■ ホームページ作成
■ ITコンサル
■ 市場調査
■ 戦略コンサルティング
■ 建設管理
■ 設計・デザイン
■ 金融・資産運用
■ 製造業
■ 官公庁・入札案件
このように、多くの業種、業務で活用されているのがRFPです。
RFPで何をお願いしている?
RFPを活用する案件は、システム開発、調査・コンサルといったような納品物が、物理的にはっきりとわからないものに対して比較的活用されています。
例えばホームページの作成をしたい場合でも、発注する側は、RFP作成時点で、詳細で具体的なホームページがあるわけではないですし、ベンダー側も、今までの作成事例などのイメージはあるものの、この時点で物理的にこれですと提示するものはありません。
一方で、納品物は具現化しにくいものの、RFPでは数百万円から場合によっては数億円の案件もあり、クライアントにとっては大きな投資とも言える案件の最初の書類がRFPとも言えます。
担当者としては、まずは自社の要望をしっかりとRFPに落とし込んで、その案件を十分に達成できる業者に仕事を発注するという大きな責任を背負っているとも言えます。
なお、海外の業者に対して業務を依頼する際には、業務内容をしっかりと文書で残すことや、依頼したいことを正確に伝えるという面でもRFPは非常に大切な書面であり、プロジェクトの第一歩であることも言えます。
RFPを活用するメリットと注意点は?
多くの業種で、様々な業務の依頼に対してRFPが活用される機会が多くなってきております。それでは、RFPとはどんどん使ったほうが良いでしょうか?
RFPを使うメリットはもちろん、活用する際の課題もあります。
RFPのメリット
■ 同じRFPに基いた提案書から比較検討できる
■ ベンダーが提案書を書きやすい
■ 効率よく相見積もりを依頼できる
■ 海外の業者に対しては必須のRFP
同じRFPに基いた提案書から比較検討できる
候補の業者から、同じ要望に基いた提案をしてもらうので、スタートラインが一緒なので公平に比較、検討が可能です。
例えば、このプロセスが、RFPなしで口頭で行った場合には、依頼内容がばらばらになってしまいます。
業者の選定をする際に、同じ内容のRFPを活用することで、適切な業者を比較のうえ、評価することを可能とします。
ベンダーが提案書を書きやすい
社内でしっかりと準備をしたRFPは、依頼内容の目的と要望を明確に伝えることができます。
このことは、ベンダーが目的を達成するために適切な内容で提案を作成することを強力にサポートします。
ベンダーからの適切な提案書を比較して適切な業者に依頼することでプロジェクトを成功に導きます。
効率よく相見積もりを依頼できる
RFPを活用することで、相見積もり作業を効率よく実施することが可能になります。
RFPがない状態で、口頭や打ち合わせで複数の業者に提案をお願いしては時間がかかってしまいます。
RFPの活用方法もコツがありますが、依頼に関しては準備してた複数のベンダーにメール一本で依頼が可能です。
海外の業者に対しては必須のRFP
海外のベンダーに依頼する際には、RFPは必須です。RFPを活用しないと、依頼事項の記録もなく、目的が曖昧になり、決定するべき事項を決定せずにプロジェクトを進めてしまい、最終的な結果が期待していたものと大きく異なってしまうリスクがとても大きくなりますが、RFPを活用することで、これらの問題は防ぐことが出来ます。
海外の業者は、RFPに基きプロポーザルを作ることに慣れています。依頼される業者にとってもRFPとプロポーザルはすべての作業の根拠となるので、海外の業者はしっかりとしたRFPを準備してもらうことを求めます。
効果的に、候補のベンダーに対して提案書作成の依頼ができるRFPですが、課題もあります。
RFPを活用する際は、以下のような課題も踏まえた上で、効果的に活用しましょう。
RFPの課題
■ RFPの書き方によって成果物に差が出る
■ RFPの内容がしっかり伝わっていない場合がある
■ RFPの使い方によって成果物に差が出る
RFPの書き方によって成果物に差が出る
RFPは、決まったフォーマットやテンプレートがあるわけではありませんが、記載するべき内容や気をつけるべきコツといったRFPの書き方があります。
業者がRFPに基きしっかりとしたプロポーザルを書くことができればRFPの目的は達成ですが、以下のような、必要な項目は最低限しっかりと記載する必要があります。
■ 依頼プロジェクトの背景
■ 達成したいゴール
■ 予算とスケジュール
■ 業者の選定条件
■ プロポーザルの提出期限と連絡先
必要事項をしっかりと書いていないRFPではベンダーがしっかりとした提案書を作成出来ません。そのためRFPの書き方はとても重要です。ここだけでは書ききれないので、RFPの書き方については、別途「失敗しないRFPの書き方3つのポイント。提案依頼書には何を書いて、どう使うべきなのか?」で、コツも含めて詳細を解説しておりますのでご参照ください。
RFPの内容がしっかり伝わっていない場合がある
RFPを候補のベンダーに送ると、いろいろな質問が届きます。
ベンダーとしては、よい提案内容にするために確認したい事項がいくつもありますので、それらをしっかりと踏まえた上で提案書を作りたいと考えます。
一方で、質問が来るということは、RFPだけでは提案書が作成できないとの業者からのメッセージでもあります。つまり、RFPだけでは、伝わりきらない場合があるということです。
これらの質問に関しては、その都度、対応もしくは「RFPミーティング」を通じて内容を確認することでRFPの足りない部分を補完できます。つまり、RFPを送って完了ではなく、RFPを業者に送付した後のフォローもしっかりすることが重要です。
RFPの使い方によって成果物に差が出る
RFPを作成したあとは、業者選定の作業に移ります。この業者選定のプロセスでRFPをどう活用するかでも、成果物に大きな差が出ます。
RFPをメールで送信することで、続々と提案書を届きます。その提案書に基づき社内会議を経て業者を決定できます。
この一連のながれは、ほぼメールと社内会議だけで完了できますが、私はこのタイミングでのこの段階で「プロポーザルミーティング」をおすすめしております。業者選定の最終の段階でプロジェクトが失敗してしまうリスクがあります。そのリスクを軽減するためにも、業者に提案書の内容をプレゼンしてもらう「プロポーザルミーティング」を実施しましょう。
プロポーザルミーティングは、提出してもらったプロポーザルの中で、3社程度に絞り込みをして、更にこの最終選考のベンダーの担当者にプレゼンをしてもらうことです。プロポーザルミーティングをすることは、以下のような効果が期待できます。
■ 絞り込んだ業者からの発注先の最終選定
■ プロポーザルに追加修正があった場合の再提案の依頼
■ 値段の直接交渉
なお、プロポーザルミーティングを含めたRFPの使い方や、よりプロジェクトを成功するための活用方法は、「失敗しない海外市場調査発注で、するべき3つのミーティングを徹底解説」で詳細を解説しておりますのでどうぞご活用ください。
RFP活用のメリットと注意点のまとめ
最近とくに活用機会が増えているRFPに関して、どのような業種で、どのような依頼に活用されているのか?活用のメリットと課題に関して解説を致しました。
ホームページの作成の依頼から、官公庁の入札、システム開発、コンサルテイングなど幅広く活用されていますが、会社にとって外部へ業務を発注することは、その業務からに利益やリターンを期待するための大切な投資と言えます。RFPはこの大切な投資をする際の最初の一歩であると言えます。
RFP作成支援サポート
はじめてRFPを活用する担当者、RFPを使っているけど更に有効に活用したい、外部委託案件を成功させたい場合、外部へのRFP作成の委託という方法もあります。【調査調査・コンサル】RFP作成支援サポートを活用することで、発注する場合の不安を一つ取り除くことも活用できる一つの方法です。
このようなサービスでは、経験のある専門のコンサルタントがRFPの添削のみならず、RFP作成前の段階から相談にのってくれます。そのことで、より結果を出せるRFPを作成できます。とくに、はじめての発注であったり、海外のベンダーへの発注案件などは、経験のあるコンサルタントへの相談も有効です。
サービスの利用には、費用がかかりますが、失敗するリスクの軽減や、うまく言った時の価値を考えるとそれほどの大きな出費ではないかもしれません。
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