海外市場調査で成功するために高い英語力必要?押さえたい5つのポイント

海外市場の市場調査をしたいのだが、英語力があまりないので、調査がうまくいくかどうか自信がないという相談を受けます。

実は、海外の市場調査で失敗しないためには英語力が欠かせないと思われがちですが、英語力以上に、「RFPの正しい活用」や「発注までの適切なプロセス管理」などが成功するためにはもっと重要なポイントです。

つまり、海外の市場調査プロジェクト、英語力がなくてもしっかりとコツを押さえることでしっかり結果を出すことができます。本記事では、英語力が必須と思われてがちな、海外市場の市場調査においても英語にあまり自信がない担当者でも成功させるための5つのポイントを解説します。

私は、外資系の市場調査・コンサル会社で、25年にわたり海外の市場調査レポートや調査プロジェクトを日本の製薬会社に提供してきました。現在は、製薬会社向けに「海外市場調査コンサルティング」サービスを提供しています。数十万円の調査案件から数億円の大規模な海外市場の調査プロジェクトまで多くの海外市場の市場調査案件に携わって来ています。

海外市場調査をするにあたってご自分の「英語力」に不安をもったままプロジェクトを担当するのはとても不安ですが、以下の5つのポイントをおさえることで、英語力の不安を払拭し、失敗しない海外市場調査に取り掛かることができます。

1. 自分で海外市場調査をする場合は、英語力が必要
2. 日本に窓口がある海外大手市場調査会社に相談
3. RFP(調査依頼書)を日本語でしっかりと作る
4. 【最重要】市場調査の依頼までのプロセスと管理方法
5. 専門の海外市場調査コンサルティングサポートを活用

この記事では、私の経験から、英語力以上に大切な海外の市場調査プロジェクトをすすめるための5つのポイントを説明いたします。このポイントを押さえることで、英語に自信がなくてもしっかりと市場調査プロジェクトを成功させることが出来ます。

本記事を通じて、英語に自信がなくても、海外むけの市場調査プロジェクトで成功するための方法をお手伝い出来ましたら幸いです。

英語に自信がないのに、海外の市場調査の担当者になってしまった!

製薬会社をはじめ多くの日本企業にとって、海外向けの市場調査は必須のタスクです。英語に自信がないのに、海外の市場調査の担当者になってしまうことはいつでもありえます。海外市場調査を行うためには、英語力が必要不可欠だと思われがちですが本当でしょうか?このような不安があると思われます。

■ 海外の業者と英語で交渉をしなければならない?
■ コミュニケーションはすべて英語?
■ 専門用語も英語なので分からない単語が出てくる?
■ こちらから強く言いたい時、英語だと言えない?

などなど、、、

しかし、実際には、成功のために必要なのは、英語力以上に、RFP(Request For Proposal)の作成、相見積もりから業者決定、発注までの管理が実は、成功につながる重要なポイントです。

英語力があることがプロジェクトを効率よく、間違いがないように進める確率が高くなることに間違いありません。英語が理解できると、市場調査に必要な情報にアクセスしやすくなります。さらに、英語で書かれたレポートや分析結果を自分で読み解くことができます。ただ、英語力はプロジェクト成功の必要十分条件であるとも言えません。

高い英語力以上に大切な、海外向け市場調査を失敗しないためのポイントを5つご紹介いたします。

1. 自分で市場調査をする場合は、英語力は必須

自分で市場調査をするかは、プロジェクトの初期の段階で決定することをおすすめします。この場合、自社での調査のメリットとデメリットを比較する必要がありますが、担当者の英語力は、市場調査の管理、運営にある程度影響があります。

自社で市場調査を行うメリット

費用と時間を削減できます。外部の専門家や市場調査会社に調査や分析を依頼する場合、海外での調査は日本国内での調査よりも高いコストがかかることがあります。自社で市場調査を行うことで、これらのコストと時間を削減することができます。

調査のカスタマイズができます。自社で市場調査を行う場合、調査内容を自由にカスタマイズすることができます。必要な情報を収集することができるため、より精度の高い情報を得ることができます。

最近の翻訳・AIツールは精度が高く、自社で調査を行う際には、外国語の文献やWebサイトを翻訳して情報収集することができます。また、質問状の作成や調査内容の日本語への翻訳なども可能です。ただし、翻訳ツールには限界があるため、専門的な用語やニュアンスなどの表現に対応できない場合があることを踏まえて活用する必要があります。

デメリット

調査への専門知識が必要です。市場調査には、調査方法や分析方法についての専門知識が必要です。自社で市場調査を行う場合、専門家のアドバイスを得たり、自社内に専門家を配置する必要があります。

自社で市場調査を行う場合、担当者や調査に関わる人材の時間と労力が必要になります。社内の人員が調査にあてられるため、ビジネスの他の部分に対する影響も考慮する必要があります。

特に、調査の計画やデータの収集、分析、レポート作成など、市場調査には時間がかかる作業が多いため、担当者には余裕のあるスケジュールを立てる必要があります。また、調査には細かな作業が多く、ミスを減らすためにも細心の注意が必要です。

社内で市場調査を行う場合、調査に必要な予算や人員の確保、スケジュールの調整など、プロジェクトのマネジメント能力が求められます。そのため、プロジェクトマネージャーやリーダーが十分なスキルや経験を持っていることが望ましいです。

英語力があった方がどうしても効果的な場合があります。自社で、海外の調査を行う場合、調査の進捗や結果について英語での報告や打ち合わせが必要となります。この場合、コミュニケーションに問題が生じ、プロジェクトの進行が遅れたり、誤解が生じたりする可能性があります。

また、英語が使えないために、必要な情報や文書を正確に理解できず、プロジェクトの成果に影響が出る可能性もあります。そのため、ある程度の英語力は必要です。

自社で海外の市場調査を実施するに当たり、ある程度の英語力で実施は可能ですが、上記のようなメリットとデメリットを考慮して、自分で実施するのか、外部に委託をするのかを早い段階で決定する必要があります。

外部へ委託するかどうかの判断はプロジェクトをすすめる上で、早い段階で決定しなければなりませんが、予算や期間、目的など様々な準備することがあります。この市場調査の準備に関しては、「【必見】海外市場調査、発注までの完全ガイド。はじめてでも失敗しないポイント5つ徹底解説」で詳しく解説しています。

2. 日本に窓口がある大手海外市場調査会社に相談

日本企業が海外の市場調査をする場合、調査には多大な時間と労力が必要です。

そこで、専門の外資系企業や海外の調査会社に依頼することが多くなります。しかしながら、この場合、調査内容の伝達や進捗管理において、英語力の必要性が高くなります。英語が苦手な人にとっては、誤解やコミュニケーション上の問題が生じる可能性があり、これは、正確な情報の共有や調査の品質に影響が出ることもあります。

そこで、日本に窓口を持つ大手調査会社を利用することが有効な方法となります。

日本語での相談が可能であるため、依頼内容がしっかり伝わり、不必要なミスコミュニケーションが生じることがありません。また、調査の進捗管理も、直接海外に依頼するよりも円滑に行うことができます。

さらに、日本国内に拠点を持つ大手調査会社は、海外市場調査においても高い専門性を持ち、海外の市場におけるニーズやトレンドについて深い洞察を持っていることが多いため、より精度の高い調査結果を期待できます。

以上のように、日本に窓口を持つ大手調査会社を利用することで、海外市場調査における英語力の不安やコミュニケーション上の問題を回避することができ、より精度の高い調査結果を得ることができます。

日本語対応が可能な調査会社・コンサル会社をいくつか選別して別途記事で紹介していますので、ご活用ください。
>> 製薬会社が活用しているコンサル、市場調査会社おすすめ10選

3. しっかりとした調査依頼書RFPを日本語で作る

海外市場調査において、調査依頼書RFP(Request for Proposal)は、非常に重要な役割を果たします。RFPは、調査会社に対して、どのような調査を行い、どのような成果物を提供してほしいのかを明確に伝えるために必要なものです。

具体的に、どのような調査を行いたいのか、調査の目的や範囲、必要な調査項目や提出物の形式、納期などを明確にすることで、調査会社が提案書を作成する際の指針となります。

市場調査は、RFPに沿って調査が行われるため、RFPが適切であれば、実際のところ調査はスムーズに進みます。実績と経験がある調査会社は、RFPに沿って適切な調査を行い、要求された成果物を提供することができます。

調査依頼書RFPは、調査を依頼するための「基本」であり、品質や効果に大きく影響します。RFPはまず、しっかりとした日本語で作成することで、社内でも調査を進めやすいメリットもあります。

海外の調査会社に直接依頼する際には、英語のRFPが必要ですが、日本語で作成されたRFPは、翻訳ツールを使用することによって英語に翻訳することができます。ただし、ただし成果が求められる重要なプロジェクトのRFPを、ツールで翻訳してそのまま候補の会社に送るのは避けた方が良いでしょう。

翻訳ツールを使用して翻訳すると、正確な意味が伝わらない場合があります。英語ネイティブのスタッフがチェックすることをおすすめします。

調査依頼書RFPは、調査の品質や効果に大きく影響します。RFP作成には、調査内容に関する十分な知識や経験が必要ですがしっかりとした「RFP」を作るまでは日本語で十分可能です。

RFPの書き方に関しては、別記事で詳細を解説しています。
>> 失敗しないRFPの書き方3つのポイント。提案依頼書には何を書いて、どう使うべきなのか?

4. 【最重要】市場調査の依頼までのプロセスと管理方法

海外の市場調査を成功させるには、英語力が必要不可欠と思われがちですが、実際には英語での会話力も大切ですが、適切な依頼とプロセスの管理が重要なポイントとなります。

まず、海外の市場調査の依頼書であるRFP(Request for Proposal)は、日本語でも作成が可能です。RFPには調査内容や期間、予算などが明記されているため、適切な候補会社を選択するための重要な指標となりますので、RFPをしっかり作ることが成功のためには大前提となります。

また、このRFPを依頼、発注までしっかりと使いきることが重要です。

RFPを候補先に送り、相見積りをとります。複数の会社から見積もりをもらうことで、適正な価格を把握することができます。その際にも、正確な情報伝達が必要です。英語力がなくても、ポイントをおさえたコミュニケーションで、適切な調査会社を選ぶことが可能です。

そして、プロジェクトの開始までのプロセスをしっかりと管理することも重要です。調査内容や予算などが確定したら、スケジュールや納期などを決め、プロジェクトの進行管理を行うことが必要です。この場合、英語力以上に、プロジェクトマネジメントのスキルが、調査プロジェクトの成功に繋がります。

つまり、英語力がなくても、適切なRFPの作成や相見積り、プロジェクト管理をしっかりと行うことが、海外市場調査の成功につながります。もちろん、英語力は必要ではありますが、英語でのコミュニケーション以外にも重要なスキルがあることを忘れずに、海外市場のプロジェクトを進めていきましょう。

なお、この発注からプロジェクトの開始まで、どのようにすればいいのかは、別記事で更に詳しく解説してますので、ぜひご活用してみて下さい。大事なのはポイントごとでのRFPをもとにしたミーティングです。
>> 【最重要】海外市場調査発注で、失敗しないための3つのミーティングを徹底解説

5 専門のエージェント・代理店を活用

英語に自信がなく、海外の市場調査への依頼、プロジェクトの管理に取り組むことが難しい場合には、専門のエージェントや代理店を活用することが一つの解決策となります。

このようなエージェントや代理店は、海外の市場調査の窓口として、日本語で対応してくれます。彼らは、専門の業界での知識と経験があるため、日本企業が求める市場調査を正確に理解し、サポートをしてくれます。

業界ごとや市場ごとに、企業にとっての調査依頼の内容は様々です。そのような多様な要望に対応するためには、その領域においてつよい、経験のある調査会社への依頼が有効です。

このような場合、エージェントや代理店などの専門家は、多くの調査会社と取引しているケースがあり、依頼に対し適切な調査会社を紹介してくれます。

また、単に調査会社の紹介だけではなく、クライアントが海外市場調査を行う際に必要な各種のサポートを提供してくれる場合があります。

具体的には、調査依頼から発注までのプロセスのサポート、相見積り、調査会社の選定サポート、価格の交渉、調査報告書の日本語での作成サポートまで、様々ありますので相談をしてみてくださいます。

海外むけの市場調査には、ある程度の英語は必要ですが、専門のエージェントや代理店を活用することで、日本語での対応が可能であり、必要なサポートを受けることができます。これにより、海外市場調査の成功につなげることができます。

おすすめは弊社SDMJコンサルティングが提供する「海外市場調査コンサルティング」サービスです。このサービスでは、失敗しない市場調査プロジェクトを無料で支援するサービスです。業者紹介と選定のサポート、そして英文RFPの作成と使い方、発注までの管理などをサポートをします。

詳細はこちらから>>>

まとめ:海外の市場調査、適切な調査発注依頼とプロジェクト管理が成功には重要

海外の市場調査において、英語力は必須ではないことがわかりました。

調査の依頼や相見積もり、発注、プロジェクト管理といったプロセスをしっかりと行い、適切なエージェントや代理店を活用することで、英語力に頼ることなく調査を進めることができます。また、調査依頼書や報告書は日本語で作成することも可能です。

海外の市場調査においては、専門的な知識と経験が求められます。専門のエージェントや代理店を活用することで、海外の市場調査に精通した専門家の知識を得ることができます。複数の市場調査会社から適切な調査会社を紹介してくれるため、調査会社選びに時間をかけることもありません。

さらに、コミュニケーションにおいてもポイントを抑えたコミュニケーションが必要です。調査の目的や要件を明確にし、相手に伝えることが大切です。また、相手からの質問や要望にもしっかりと対応することで、円滑なコミュニケーションを図ることができます。

以上のように、海外の市場調査においては英語力が必須ではなく、プロセスの管理や専門知識、適切なエージェントや代理店の活用、ポイントを抑えたコミュニケーションが重要です。これらをしっかりと実践することで、海外市場調査を成功させることができます。

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